015:友 地震(なゐ)すれば水の彼方の空遠く友の骸を抱きて燃やせ
水のふるえは遠くまで伝わるといいます。
クジラやイルカが超音波を水に伝わらせて何キロも先にいる仲間と交信するのはよく知られた話です。
大地の中にも水脈が走っています。
地震の前兆として井戸が枯れたり異常湧水がみられたりするといいます。
最近では街中に井戸は見かけませんね。東京では異常湧水もしないのではないですか。
それではわれわれはどうやって地震を知ったらいいのでしょうか。
現代社会は水から切り離された生活です。
小分けのペットボトルの水に安心感を覚えて飲用する人々。
ペットボトルからは地震の予知はできません。
昔、水源はもっと身近な存在でありました。人々は自分たちの生活の生命線たる水源を大切にし、
その神をおろそかにせず祭ったものです。
わが国の水神は一般的に
蛇です。神格化が強まると龍になり、天にのぼって雷や雨雲を司るのです。
私たちの住む家では、水は
蛇口から出てきますね。
蛇口こそ、
水源の神と我々とをつなぐ回路なのです。